2008-05-12

OmniGraffle Pro 5 の感想

Mac OS X を Tiger から Leopard にアップグレードしたので、OmniGraffle Professional を Leopard のみ対応の Version 5 にアップグレードしてみた。

もともと非常に出来の良いソフトウェアなので、どうしてもバージョンが上って変更された点についての不満ばかりになってしまうが、そのあたりは割引いてもいいと思う。

マスターキャンパスの廃止と共有レイヤー


実際に使ってみるまでは、共有レイヤーの導入によってマスターキャンバスが廃止されているとは思っていなかった。確かに多くの場合は、共有レイヤーをマスターキャンバスのように使うことはできるだろうとは思う。

マスターキャンバスの場合、これはレイヤーではないので各マスターごとに用紙設定をすることができた。たとえば同一書類中に縦・横のマスターキャンバスを用意しておいて、作成する各ページ毎に必要に応じて異なるマスター適用することで、複数ページに縦・横混在で統一感を持たせた書類を作るのとても便利だった。

共有レイヤーの場合は、これはレイヤーなので縦・横などのページ(キャンバス)毎の属性を持たせることができない。このために、縦・横など異なるページ(キャンバス)属性の混在した書類を作るには、各キャンバスについてこれらの設定を行なう必要があり、マスターキャンバスを使った場合と比べて使いにくい。

また、共有レイヤーはキャンバスが存在しない状態では存在しえない。したがって、ページ(キャンバス)毎にさまざまな設定を行なった複数ページ(キャンバス)の書類を作るためのテンプレートを作成するためには、予めそれぞれの設定に対応した空白キャンバスに必要によってそれぞれに対応した共有レイヤーを含めたものをテンプレートに用意しておくなどの必要があって、スマートではない。

テンプレート


前述のように、OmniGraffle Pro 4 で作成した複数のマスターキャンバスを含むテンプレートから新規に作った書類は、各マスターキャンバスを共有レイヤーとして持つキャンバス一枚のものになる。各マスターキャンバス毎に設定してた属性(ページサイズとか縦横の向きとか)は失われてしまっている。これはちょっといやだ。

「キャンバスのサイズを自動調整する」がチェックされていると、用紙の方向を変えてもキャンパスに反映されない。



プリントシートには横向きに出てくるので、内部的なパラメータは書き変わっているような気もするのでバグっぽい。インスペクタのキャンバスサイズで「サイズはプリンタシートの倍数です」のチェックを付け外しすると変更がキャンバスに反映されるが面倒。

サイドバーのレイヤーとアウトライン


キャンバスサイドバーでは、前面にあるレイヤーが上に表示されるのに対して、アウトラインサイドバーでは前面にあるオブジェクトは下に表示されるというのは気持悪い。
また、翻訳の問題かもしれないが、「キャンバスサイドバー」、「アウトラインサイドバー」なのに「リストスライドバー」という名称の付けかたも変。

メニューで、これら三つは下の図のように表示されているのに、リストスライドバーとアウトラインサイドバーが排他で、キャンバスサイドバーが他の二者と排他でないのは違和感がある。

ステンシル


ステンシルの数が適当な数に収まっている限りは、リストにしてスクロールさせるよりも、以前のようにドロップダウンメニューにしてくれた方が使いやすい。ステンシルのフローティングパレット自体は前より使いやすいと思うので、ここだけ戻してくれればいいんだけど。下の左が OmniGraffle Pro 4 で、右が OmniGraffle Pro 5 のもの。4 のときメニューバーに独立してあった「ステンシル」が 5では消えていて、「ウインドウ」メニューに入っている。

キャンバスサイドバーがイマイチ


特定のページ(キャンバス)のみを印刷したいことも多いが、ページがどこにも表示されていない。バージョン 4 だとサイドバーにちゃんと書いてあったのに。プリントダイアログで、表示中のキャンバスのみ、とか、選択したキャンバスのみを指定して印刷できればまだいいのだけど。
それと、アイコン表示の大きさが標準では大きすぎるし、「小さなアイコンを使用」だと小さすぎる気がする。似たようなキャンバスが続くと区別できない。

前述のように総じて出来のいいソフトウェアなだけに、重箱の隅をつつくようなことばかりだけど、マスターキャンバスが廃止されて代わりになるはずの共有レイヤーの使い勝手が大分違うのが一番ショックだった。これとサイドバーへのページ数表示はなんとかならないかなぁ。

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